1~2ヶ月で選ぶのが一般的というのは嘘
ハウスメーカーにお話を聞きに行くと、家を建てる参考スケジュール表というのをどこのメーカーさんもくれます。
ハウスメーカー選定から家が建つまでのトータル期間はだいたい1年前後で書かれていることが多いんですが、そのなかでも一番最初の項目になる「ハウスメーカー選定」はどこも1~2ヶ月と書かれています。
また、インターネット上でも1~2ヶ月と書かれているサイトが多いですが…
これ鵜呑みにする必要ないですよ。
もちろん、既に注文住宅の知識も豊富で、ハウスメーカーごとに違いをご存知なら1~2ヶ月あれば決めることも可能だと思います。
でも、初めて注文住宅を検討する段階で知識もこれから勉強していこうという人は1~2ヶ月で決めるのは無理があります。
ていうかそんなに急いで決めたら失敗しますよ、確実に。
なぜハウスメーカーは1~2ヶ月でメーカー選びをすべきというのか?
ハウスメーカーにとって、資料請求や展示場に来てくれる方は見込み客ですが、客ではありません。契約してくれた人だけが本当のお客さんなんです。
資料請求や展示場に来てくれる方に対して、メールや直接の打ち合わせで自社と契約してもらえるように、あの手この手で自社の魅力をアピールしてくれますが、そのなかでも営業マンにとっての理想は
「できるだけ時間コストを掛けずに1件でも多く契約を取りたい」
ということ。
全てのお客さんがメーカー選びを1~2ヶ月程度で決めてくれるのが、ハウスメーカー及びその営業マンにとっての理想というだけの話です。
というのも、ハウスメーカー営業マンは歩合率が高い業界で1本契約を取れたらボーナス100万円位貰える職種です。
家というのはそう簡単に売れるものではなく、月に1本、年間12本契約できる営業マンはかなり優秀な人で展示場の営業所長クラスになります。そんな営業所長クラスの優秀な営業マンでも毎月新規で10人~20人位の問い合わせ客を相手にしそのうちの1人契約に持ち込めたら大成功、というイメージです。
新規の問い合わせ客というのは、突然増えるわけではなく毎月ほぼ一定です。限られた問い合わせ客の中から、なんとか月に1本契約を取るためには見込み客である私達のハウスメーカー選びの期間を短くするように誘導する必要があるのです。
1~2ヶ月程度で決めてくれたら年間12件位契約取れる営業マンでも、全てのお客がメーカー選定に3倍の6ヶ月掛けるようになってしまったら、年間4本しか契約がとれなくなってしまいます。
営業マンにとっては1~2ヶ月程度でメーカー選びをしてもらって、たとえ契約が取れてもとれなくても、結論がでれば他の新規問い合わせ客に時間を割くことが可能です。
だから、どのハウスメーカーも1~2ヶ月程度でハウスメーカー選びをするのがあたかも一般的なように仕向けるのです。
ハウスメーカー選びは比較に時間をかけるほど安く良い家が作りやすい
でも私達選ぶ側にとっては、ハウスメーカー選びは時間をかければかけるほどいい家ができる可能性があがります。おまけに安く。
我が家もそうでしたが、多くの人は最初全く知識がない状態で各社の資料を問い合わせをします。ハウスメーカーごとの違いもわからぬまま、2,3社のパンフレットだけ見て決めてしまっては、本当に自分に合ったハウスメーカーを知る機会を捨ててるようもの。
時間をかけてちゃんと各ハウスメーカーの違いを理解したうえで複数の見積りをとったうえで価格も比較する。これが大事です。
結論、多ければ多いほどいい。6~10社程度の間取りや見積りはとるべき
では何社くらいの見積りをとったほうがよいのでしょうか?これもインターネットでは2,3社と書かれているケースが多いですが、結論、多ければ多いほうがいいです。
あえて具体的な数をだすならば6~10社程度の間取りや見積りはとるべきです。
10社の間取り図提案から初めて理想の間取りがみつかります
インターネットで間取り図を検索したところで、自分達の希望にぴったりの間取り図なんてまず出てきません。土地の形や希望条件も異なるのですから当然です。
理想の間取りを作るには、できるだけ多くのハウスメーカーに、自分達の希望の条件を伝えてハウスメーカーの提案力からイメージを膨らますことです。
ハウスメーカーは、契約を取るために、あなたの希望条件をなるべく全部詰め込んだ間取り図を作成してくれます。同じ条件でもハウスメーカーごとに提案してくれる間取りは面白いほどに異なります。異なるからこそ、自分達の好みの間取りを見つけることができるのです。
Aハウスメーカーのこの間取りをベースにBハウスメーカーのアイデアを加えたら完璧な間取りができそう…だいたいこんな感じで理想の間取りは出来上がったりします。
1社の間取り図が完璧ということはほぼなく、各社のアイデアを最終的には集約させることで理想に近づきやすくなります。
だからこそ、2,3社だけに間取り図を依頼するのではなく、6~10社程度に間取り図を作ってもらうべきなのです。アイデアは多いほうがいいんです。
おまけに間取り図の提案はほとんどのハウスメーカーは無料です。ちょっとの手間を面倒がってこれをやらないなんて損でしかありません。
10社の見積りから初めて本当の価格がみえてきます
「いったい最終的にいくらかかるんだろう…?」家作りをするときに必ず訪れる不安ですよね。
見積りというのは一見すると安い見積り金額を提示してくれたメーカーが一番安いと思いがちですがそれは違います。見積りのフォーマットは各社バラバラなため、書かれている項目だけが全てではありません。
実はさりげなく「別途」と記載されている項目だけで数百万円も、後日見積額がアップすることは珍しくありません。なるべく全ての項目をもれなく書いてくれるハウスメーカーさんもいればかなりざっくりな見積りしかくれないメーカーさんもいます。
2,3社だけの見積りだと抜けている項目や明らかに少なめに予算計上されている項目などを見抜くことができません。6~10社程度の見積りがあって初めて、この会社が計上してる外構費100万円って明らかに少ないな…これは絶対後日見積りアップするぞなどとイメージが付きやすくなります。
メーカーはなるべく見積もり時点では安く見せようと工夫し、契約後詳細を詰める時点でやはりこの項目の金額は+200万必要ですなどど平気で行ってくるのでほんと注意です。
契約してしまったら、こちらはそれに従うか、契約キャンセルでキャンセル費100万円をどぶに捨てるかの2択したかとれなくなります。家を購入する側の私達の立場が有利なのは契約前までです。
この契約前までの自由なときにいかに時間をかけて、かつたくさんのメーカーから見積りをとれるか、これで勝負は決まります。
ここをおろそかにすると、安いと思ったのに結局予定より1000万円もかかってしまった。キャンセルももったいないし、もう買うしかない…という状況に陥ります。この状況だけは避けるべきです、絶対に。
10社の見積りが各社の値引きを引き出します
例えば、見積りを3社からしか取らずに、大手、中堅、ローコストの価格帯が異なる3社から見積りを取ったとしても、値引きを引き出すことは不可能です。
「うちとは使ってる設備も価格帯もちがうので」と言われたらそれでおしまいです。
大手3社、中堅3社、ローコスト4社位の見積りを取れていたら、大手とその他の価格と設備の違いもわかりやすく、自分達が買える価格帯は中堅かローコストかなと判断しやすいですし、中堅、ローコストそれぞれ複数社見積りをもらっておけば価格交渉時にかなり有利です。
もしも最初からメーカーごとの価格帯の詳細を理解しているならば、例えば我が家はローコスト1択だからローコスト系メーカー中心に6~10社程度の見積りをとろうという戦略はありです。
価格交渉だけを考えるならば同価格帯のメーカーの見積りが複数あるほど値引きしやすいのは事実ですが、まだメーカーごとの詳しい価格帯を知らない人は大手3社、中堅3社、ローコスト4社位の見積りをとることをおすすめします。
買えないだろうなあとは思っても大手の話を聞くことでローコスト系のデメリットや注意点を知ることができ、幅広い知見を学べます。最初は幅広い価格帯のメーカーの資料を見ることが大切です。
建築条件の抜けや漏れをなくすためにも沢山の営業マンに関わってもらうべき
できるだけ多くのハウスメーカーに間取り図と見積りをもらう重要性はそれだけではありません。
例えば実家を建て替えて二世帯住宅にしようと思ったとき、現在の法律や条令にあった形でしか家を立てることはできません。
今の実家と同じ広さの2階建てならいつでも建てられると思ったら実は建てられなかったり、建蔽率や容積率を区の地図で見るだけではわからない、細かなルールが存在するんです。
更には都内には車一台しか通れないような小道が多いですが、あれは公道ではなく私道であるケースが多かったりします。家に接する道が私道であった場合、立て替える際にはその私道の持ち主に許可を得なければならないルールもあります。
このルールがとてもやっかいで場合によっては20人以上に事前に許可を得なければならず、それだけで半年以上の時間がかかるケースもあります。
こういった細かい条件は、1つのハウスメーカーの1人の営業マンだけでは全て気づくことはできません。多くのハウスメーカーに同時に家の条件を調べてもらうことで、A社の営業マンでは気づかなかったものが、B社の営業マンが気づいてくれたりと複数人の営業マンたちの知恵と経験を一気にかりることで最短で家作りで気をつけなければいけないルールを洗い出しすることが可能になります。
とても気に入ってるハウスメーカーがあったとしても、知識経験の浅い営業マンが担当になってしまったら、細かい条例やルールに気づかず、契約してから「すみません、この土地ではもっと小さい家しか建てられません…」とか平気で言ってきますから要注意です。
だからこそ、建築条件の抜けや漏れをなくすためには沢山の営業マンに関わってもらうべきなのです。
最低6社の見積りで3ヶ月以上選ぶ期間をかけるべき4つの理由
ここまでの話をまとめます。
1.ハウスメーカーの提案力を掛け合わせると理想の間取りになる
2.同価格帯の相見積りがあるほど値引きを引き出しやすい
3.見積りがたくさんあれば最終的にいくらかかるか見えてくる
4.建築条件の抜けや漏れをなくすことができる
しっかり複数社に3ヶ月以上時間をかけるだけで、これだけのメリットが得られるわけです。
逆にハウスメーカーが作った一般論を鵜呑みにして1~2ヶ月で、2,3社の資料しか見ずにハウスメーカーを決めてしまったら…どうでしょう?
注文住宅って契約後にトラブルになってしまうケースも結構ありますが、そのほとんどが営業マンにそそのかされて決断を急ぎすぎてしまうことにあるんです。
なるほど、失敗しやすそうだな…というのがイメージできますよね。だからこそ、焦らずしっかり検討するようにしましょう。
たくさんのハウスメーカーから見積りをもらうには労力が必要!?
「たくさんのハウスメーカーから間取りや見積りをもらう重要性はわかった。」
「でもぶっちゃけ時間もないし労力もかかって面倒…」
そう思ってませんか?
たしかに10社も一つずつ資料請求したり、1社ずつ展示場訪問して話を聞きにいくのは面倒です。
そんなこと我が家もできません。というかそういうやり方をしてないから、とれる戦略でもあります。最小の労力でたくさんのハウスメーカーから資料、間取り図、見積りをもらう方法があるんです。
時間をかけずにたくさんの間取り図や見積りが欲しい人の選択肢は1つ
我が家が家作りを考え出したときに、まず一番最初にタウンライフというサイトを使いました。
このサイトは無料で複数のハウスメーカーの資料を取り寄せできるだけでなく、間取り図やおおまかな見積りまで無料でメールで届くんです。
そもそも1社ずつ問い合わせするなんて面倒だし、直接ハウスメーカーに問い合わせても資料はもらえても間取りは直接打ち合わせをしないと貰えません。
このサイト経由なら資料、間取り、見積りが無料で簡単に貰えるので、最小の時間でたくさんのメーカーの比較ができちゃいます。
我が家はこのサイトから20社くらいの資料を一気に取り寄せして、そのうち10社くらいから間取りや見積りを無料でもらうことができました。
大手ハウスメーカーなど有名な注文会社もたくさん参加していて全国600社のなかからあなたの地域、条件にあった会社のなかからいくつでも選ぶことができます。
ちょっとした小技ですが、
備考欄に
「電話はとれないのでメールにてご連絡お願い致します」
と記載したら、どこからも電話が掛かってくることもなく、メールだけのやりとりでお話ができたので、おすすめです。電話かけられるのが嫌な人は是非真似してみてください。すごく快適です。